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Q&A よくある質問


Q. 子供の中耳炎が治りません。病院には行っているのですが・・・。

A.

急性中耳炎は鼻炎や感冒などに引き続き起こりますが、

耳管機能が不良であるほど起こりやすくなります。


鼻炎があろうが、風邪をひこうが中耳炎にならないお子さんは一度もなったことがありませんが、

繰り返すお子さんは可哀そうなぐらい頻繁に中耳炎、切開を繰り返しています。

一般的に2歳ぐらいまでに中耳炎をおこしたお子さんは、中耳炎を反復しやすいと言われています。

耳管機能が悪いと、急性中耳炎が治っても滲出性中耳炎の状態で足踏みしているうちに

また急性中耳炎を起こす、といった悪循環になりやすいのです。


このような場合は、鼓膜チューブを留置して「風通しのよい状態」を作ってあげることも必要です。

方法はどうあれ、中耳炎を反復するお子さんでも、一回「完全に治った状態」まで

持っていければそのまま反復しにくくなる可能性があります。

また、症状が落ち着いてからも抗アレルギー剤や去痰剤などを飲み続けることで、

反復を防げることもあります。

Q. 細菌による炎症に抗生物質はどの程度使用されるのでしょうか?

A.

当院では出来るだけ短期間で治療を完了することを目指しています。

そのためには、適切な抗生物質の使用、適切な膿汁(鼻汁、耳漏、膿性痰)の除去が必要です。
抗生物質は、むやみに使用すると耐性菌を増やしてしまい、治療が困難になりますので、
必要かつ最小限の使用を目標としています。抗生物質の使用期間を短縮するためにも、
適切な膿汁除去が重要になります。早期改善のためには毎日鼻処置を行うのが
ベターですが、無理のない範囲で受診してください。中耳炎があり、内服治療では改善困難な
場合は、鼓膜切開を行い排膿します。がんばって治療を行い、やっと改善したと思っても、
薬をやめた途端に再燃したり、風邪をひく度に中耳炎を反復したりするお子さんもいますが、
頻繁に中耳炎を起こす場合は鼓膜チューブ留置を検討します。

簡単に言えば、耳にしろ鼻にしろ「風通しのよい状態」を維持できれば副鼻腔炎や中耳炎にはならないと言っても過言ではありません。
「風通しのよい状態」を目指して頑張りましょう

Q. 鼓膜チューブ留置とはどんな治療ですか? また、どんな効果があるのですか?

A.

滲出性中耳炎に対して、排液して換気を行うための穴を維持するために、

鼓膜にチューブを留置する治療方法です。鼻腔から鼓室に空気が入りにくい状態なので、

最短距離で風通しを良くしようという理屈です。


半年から数年留置しますが、途中で抜けてしまうこともありますし、炎症の原因となった場合は

除去する場合もあります。鼓膜というバリアに穴を開けているので、耳に水が入ると中耳炎を

おこしやすいため、洗髪時など注意が必要です。1割程度でチューブ抜去後に鼓膜穿孔が

残ると言われています。いくつかのデメリットがありますが、非常に効果の高い治療法です。

急性中耳炎を反復する場合も有効です。繰り返し切開する必要が無くなりますし、

「風通しのよい状態」に出来る可能性が高いからです。

「風通しのよい状態」を維持。これが治癒への近道です。

中耳炎や副鼻腔炎は「風通しのよい状態」を維持することが出来ればほとんど治ります。

「風通しのよい状態」にするために、様々な薬、治療を組み合わせているわけです。

治療にはステップがあり、内服だけでよくなるお子さんもいますが、それで治らないケースでは、鼓膜切開をしたり、チューブを入れたり、毎日のように鼻処置に通院してもらったり、お子さんの病状に合わせて、「風通しのよい状態」を作り出すために必要と思われる方法を提案いたします。

とは言え、ご都合もあると思いますので遠慮なくお伝えください。

出来るだけ無理のない範囲で、効果が最大になる方法を検討します。